目次
MOSとは
概要
MOS(モス、またはエムオーエス)とは、Microsoft Office Specialist の略で、Word、ExcelなどのOfficeアプリに備わる様々な機能を、様々な場面で使えるスキルを認定する資格です。
Word®やExcel®などの製造元であるMicrosoft社公認の国際資格です。
試験は、アプリとそのバージョンごとに別々になっており、さらに「スペシャリスト(一般)」と「エキスパート(上級)」の2つのレベルに分けられています。
試験会場
国際資格と言っても、日本国内ではオデッセイ コミュニケーションズ社(国内企業)が運営を担っており、全国各地に試験会場があります。(自宅で受験することはできません)
申し込み
試験には、試験会場と実施日時の違いから、「全国一斉試験」と「随時試験」に分かれています。
全国一斉試験 申し込み方法
オデッセイ コミュニケーションズ社のMOS公式サイト からお申し込みができます。
随時試験 申し込み方法
オデッセイ コミュニケーションズ社のMOS公式サイト で随時試験会場を検索し、会場に直接問い合わせます。
どちらの試験にも受験者IDが必要
試験の申し込みには、事前に、第三者機関であるCertiport社の発行する「受験者ID」を取得しておく必要があります。
この受験者IDから受験者が特定され、世界的に公正とされる認定を受けることが可能になります。
受験者IDの取得(登録)方法も、オデッセイ コミュニケーションズ社のMOS公式サイト に記載されています。
出題
問題は日本語で書かれていますので、英語が不得意であっても心配いりません。(英語力は問われません)
試験は、会場で指定されたパソコンを使い、画面上に表示される問題文に指示された通りのアプリ操作(WordやExcel等の操作)をしていく 実技試験 です。
パソコン内で1つ1つの操作が記録され、それをパソコンが自動判定して採点してくれるので、他人に見られて緊張してしまうこともありません。
なお、過去問は公表されておらず、各社が独自に調査を行って作られた対策教材が販売されています。
合否
試験終了後、その場ですぐに試験結果がわかります。また、それとは別で1か月後くらいに国際郵便で合格認定証が送られてきます。
なぜMOSがいいの?
MOSは、知識を問われるマークシートや筆記型のような試験ではなく、実際に企業などで実務に使われているWord、Excel等のオフィスアプリを操作して回答していく実技型の試験です。仕事で期待されているのと同じアウトプットを短時間で実演できるスキルを証明する資格なので、採用側も安心できるのです。
MOS以外にも、パソコン資格はいくつもありますが、MOSの他の資格との違いは
- Word2010、Excel2016など、使用アプリが具体的でイメージしやすい
- 操作記録で採点するので、結果だけでなく、効率的な操作ができたかも判定される
- アプリの製造元であるMicrosoft社公認の国際資格(外資系企業にも有効)
- 20年以上の実績がある資格なので、採用側にも取得者がいる可能性が高い
- 難易度も受験料も高いので、もともとスキルに自信のある人しか受けない
といったことが挙げられます。
MOSは本当に就職に強い?
採用と資格に関する様々な調査を見ると、
MOSは、過度に期待することはできないが、事務職での採用には、あった方が良い資格である
と言えます。
まず、「MOS資格 就職」というキーワードで検索すると、MOS公式サイトや個人的な見解が多く見られます。
公式サイトは良いことばかりが書いてあり、個人的な見解は賛否両論になっています。
どちらも言っていることは参考になりますが、客観性には少し欠けています。
MOSを入れずに「資格 就職」で検索すると、就職・資格関係のサイト独自のおすすめや、ランキングなどが出てきます。この中でも、MOSは割と上位に入ってきますが、他のより専門的な国家資格などと比べれば下位になっているので、「まあそうだよね」という納得感は高まります。
さらに「採用 資格 調査」で検索すれば、より信頼性の高い調査機関のデータが得られます。
独立行政法人労働政策研究・研修機構
「企業における資格・検定等の活用、大学院・大学等の受講支援に関する調査」
これを見ると、MOSは取得を奨励している企業は多いものの、採用ではそれほど重視されていないように見えます。ただ、このデータは技術職や専門職のウェイトが高いようで、これらの職種では、他に重視する専門資格があるのは当然で、MOS受験者の多くが希望する一般事務職についてはウェイトが低く、他に比較対象となる事務資格が入っていないゆえの結果のようです。
参考:DODA「転職で本当に有利な資格は?」
したがって、事務職に限らず見てしまうと、MOSで就職が有利になるわけではないですが、一般事務職に限って見ると、MOSは企業に有用と評価されており、経験者はもとより未経験者であれば特に資格を持つことで、スキルや向上心を証明していくことができるのではないでしょうか。